落合博満氏が著書の「コーチング 言葉と信念の魔術」の中で、打撃コーチのやり方について、「バットをずっとフォームを意識してきっちり一心不乱に振ってもらう。それを2時間とか3時間とか、じっと見ているだけでいいんだよ。徐々に無駄な力が抜けて理想的なフォームになる」と話しておられました。

このシリーズでお話してきたように勉強の指導にも相通ずるものがあると思っています。

勉強の仕方は、勉強を目の前でやってもらわないと、向上させられません。ところが、条件反射的に「わかりません。」といって、後は先生任せな生徒さんの多いこと、多いこと。だから普通の個別指導でどれだけ優しく丁寧に教えられても成績にピクリとも反映されないのです。「自らペンを握り問題に取り組む」=「野球で言えば1スイング」、そして、「できた、惜しいミスをした、できたけど不十分、よくわかっていない、ほとんどわからず何をしていいかわからなかった、解説を見てもわけがわからない」という結果からフィードバックして次はどういうふうにすればいいか考え、そのサイクルを回して確実につぶしていく、という作業が勉強です。

落合監督があの迫力でじっと見つめる中でスイングしてたら、それそれだけでメンタル面だけでも、ものすごい修行になっています。そして「落合さんが認めてくれた」ということが選手の自信になります。

「最初の1スイングを真剣にする」の段階からできていない、「わからないから振れません。」「自信ないです。」と言って振らないのと一緒です。ゼロなのですから、どれだけ積み上げてもゼロです。中学生ともなれば、大学生の個別指導の先生をどうやり過ごして自分は楽をすればいいか、知恵があるものです。

いくら先生が名解説で、解いて見せても自ら解かないと力はつきません。

よくこどもの勉強を「見てあげる」といいますが、実に的確な表現ですね。